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高森明勅
2011.1.3 09:34

新年めでたく一般参賀

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

って、今年はスケジュール調整に失敗して、殆ど年賀状が出せなかった。

こんなこと初めてかも。

新年早々失礼申し訳ない。

でも2日の新年一般参賀には例年通り家族連れで行って来た。

東京駅を利用したので残念ながら『新天皇論』のポスターはまだ見ていない。

まず駅で別に暮らしている長男長女と合流。

次男も含めて4名。

家内は参加出来ず。

愛犬のむーすけも、流石に皇居には連れていけないので、留守番。

天候が穏やかで気持ちがいい。

もう参賀を済ませて帰って来る大勢の人達とすれ違う。

普段は色々苦労や悩みも抱えているだろうけど、この日ばかりはめでたく明るい表情の人が多いような気がする。

例年だと家族て゛皇居参賀協力委員会の日の丸の小旗配りのボランティアのお手伝いをしている。

だが今年は申し訳ないが、勝手をさせてもらった。

いつもながら公安警察の皆さん総出で不審者がいないか、鋭い視線をなげかけている。

お仕事ご苦労様。

ボディチェックを済ませていよいよ二重橋へ……と思ったら何と次男坊がサイドバッグに万能ナイフを忍ばせて、というより普通に入れていて、当然ながら検問にひっかかった。

こいつはもともと、小野田寛郎さんがサバイバル術を教えて下さる小野田自然塾なんかに大喜びで参加したりしている。

だから日頃、万能ナイフなど持っていても別に驚かない。

でも今日だけは持って来るなよーーとか思いながら暫く待つ。

兄や姉たちはニヤニヤ。

さんざん質問されたり、住所氏名とか書かされたりした上にサイドバッグは預けることに。

本人は照れ笑い。

さて宮殿前広場。

もう天皇誕生日の参賀と合わせると、昭和から50回以上参加しているはずだが、陛下のお出ましを待つ暫くの間、どうしても緊張する。

お出ましのお姿を拝し、聖寿の万歳を三唱。

子供たちが幼かった頃は、私から離れて知らないオジサン扱いしたものだ。

今は、まだ腹から声が出ていないものの、唱和してくれる。

それどころか、陛下がお入りになった後、長女「今年は万歳唱えてる人が少ないんじゃない」長男「去年まで万歳していた人が今年からやめるってことはないはずだから、これまで参賀に余り来たことがない人が来てるんじゃない」、長女「あら、だったらいいことね」とか喋っている。

私の万歳に、身内以外で何人も唱和して頂いた。

これは珍しい経験。

去年はここで偶然、ジャーナリストの山際澄夫さんにお会いした。

そういえば、去年はその後いつものように靖国神社に参拝したら、やはり偶然、田母神俊雄さんとバッタリ出くわしたんだっけ。

皇居を出る前、桔梗門前の荷物預かり所で次男が万能ナイフ入りのバッグを受け取るのを待っている時、何人か私に「高森先生、今年も頑張って」とお声をかけて下さった。

そうやって励まして頂くと、素直に元気が出る。

しかし誰も、私が新年早々あわや「不審人物の父」になりかけたことは、知らない。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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